1. ブルガリアにおけるムナジロテン(イシテン)の食性
これらの研究は、東京農工大学とブルガリア・トラキア大学の姉妹校提携による「生物多様性ホットスポットプロジェクト」のもと行われました(調査報告:研究室ブログ1;研究室ブログ2)。 |
2. 亜高山帯におけるホンドテンとホンドギツネの食性
食肉目動物の糞はその形状の類似性から他の同所的な種のものと混同されやすいという問題があります。本研究では、亜高山帯に生息するホンドテンとホンドギツネの糞の視覚的・嗅覚的な種判別方法の信頼性を検証するため、それによる種判定結果とDNA判別技術による結果とを比較しました。その結果、97%の糞が視覚的・嗅覚的により正確に種判定されていたことがわかりました。また、両種の食性の季節変化、および種間の食性の類似度を調べました(Hisano et al. 2017/ZoolSci)。 本研究は、東京農工大学と北海道大学の共同研究によって行われました。 |
3. 食性の地理的変化(メタアナリシス)
食性の生物地理学的変化を調べることは、捕食者とそれらの生息環境との間に存在する生態学的特性を結びつけるうえで重要です。本研究では、全国におけるホンドテンの食性情報を既存の文献から収集し、本種の食性の地理的変化・季節的変化を調べるため、メタ解析を行いました。亜高山帯林や冷温帯林のホンドテンのほうが暖温帯林よりもネズミ類をより高頻度で利用していることがわかりました(Hisano et al. 2019/MammBiol)。また、同様にベンガルヤマネコの食性についてもメタアナリシスを行いました(Hisano & Newman/EtholEcolEvol)。 |
4. テン類の食性に関する文献レビュー
ホンドテンの果実食および昆虫食の特徴の情報を文献レビューにより統合しました(Hisano and Deguchi 2018/ZoolEcol; Hisano 2019/ZoolEcol)。そして、本種の食性に関する研究の問題点や不明な点を指摘し、これからの研究の方向性を導きました(Hisano in press/SmallCarnivoreCons)。 また、上記のブルガリアでの研究(トピック1:Hisano et al. 2016)に関連して、栽培果実(人為由来の食物)に焦点を当てながら、ブルガリアにおけるムナジロテンの果実食の情報をまとめました(Hisano 2018/ZooNotes)。 |